団塊の世代(その1)

2007年問題とは、団塊の世代が定年退職することにより起こる問題のことです。
団塊の世代とは、昭和22年から24年にかけて生まれた人達のことで、それがこの春、満期を迎えたというわけです。 「それがどうした?何も起こっとらんじゃないか」と言う人もいるでしょう。しかし、問題はこれから起こるのです。

2005年時点の日本の人口構成は次の通りです。

http://www.stat.go.jp/data/nihon/g0402.htm

図で「第1次ベビーブーム」としている出っ張りが団塊に当たります。
おまけの「統計表」を私なりに加工すると次のようになります。
・日本の総人口 : 1億3000万人
・団塊の人口 : 700万人
・総人口に対して : 5.3%(19人に1人)
・前の世代に比べて : 1.6倍(昭和22年生÷21年生)

数が半端じゃないこともありますが、前の世代に比べて突出しているという特徴があります。 これが元で過去様々な問題が起こったのです。
・学齢期 : 小中高校の増設・新設→受験戦争→全共闘運動(注1)
・就職期 : 地方から3大都市圏への大規模な人口移動
・結婚期 : 日本の伝統的な家族形態は崩壊し核家族にとってかわる
・バブル崩壊後 : リストラの主ターゲットとなる
・そして今年 : 2007年問題の主役として、またまた登場

経済産業省はじめ3省が提出した「2006年版ものづくり白書」は、 2007問題を「ベテラン労働者が培ってきた技能やノウハウをどのように継承していくかなどの問題」としています。 その対策については、雇用延長や再雇用する企業が増加しているなどの理由で、退職は「なだらかな形で進むことが予想される。 しかし」肝心の技能の継承は進んでおらず「問題の先送りをしているといった懸念もある」としています。

要するに問題を技能の継承問題とし「しばらくは居てもらうから大丈夫、でもそのあと居なくなったらどうすんだろ?」と言っておるのです(注2)。 本人達の歳が歳だけに8年持つかどうか怪しいところ、我々としては、この間に自己責任で継承問題を解決しないといけないのです。 ソフトウエア業界に身をおく私としても、関連するシステム作りに励んで商売繁盛といきたいところです、なんてね。 しかしこれが問題のすべてとは思えません。それは私にとってはより本質的と思える第2の問題、団塊の世代の視点から見た2007年問題です。

それが主体的であったかどうかは別として、過去の世代とは明らかに異なる文化を残してきた集団が、今回のこの節目にどう動くのか、 というのが私にとっての第2の問題です。いわば第2の人生を技能継承につくすというのも立派な生き方だと思います。 もし皆がそうであれば問題は1つにまとまるでしょう。しかし、そうはならないでしょう。多くの人にとっては「何をするか」が問題になるのです。 この世代を大消費市場ととらえビジネスチャンスとする論議も、同じ問題を論じていると言えます。 なぜなら「市場」の動向を知ることなしにチャンスはものにできないからです。

しかしながら、これは難問です。そこでタイトルに「その1」と付け、続きでボチボチやって行こうと思います。 それにしても「だんかい」とは・・・ ほかに気の利いた言い方が無かったのでしょうか。 一時代を画する集団が「十羽一からげ」のように、最近では「余剰人員」とみなされ、仕舞いに「だんこん」(失礼!) と間違えられた日には威厳も何もあったものじゃないですな。いずれにせよ、命名も含めこれらは難問です。  つづく。


【注1】全共闘運動とは、1960年代末の一連の学生運動(「ウィキペディア」より)。 但しこの世代の大学進学率は12~13%程度であることに注意が必要。

【注2】これは私見、その根拠は次の通り。白書は次の節で技能継承の仕方について、 企業の実例を盛り込みつつ懇切丁寧に説明するが、具体的に施行される法(案)については何の記述も無い。